DIYのレベルが格段と上がる!初心者向け溶接の始め方!【アーク溶接入門】

物作り

今回は物作りでよく使われる溶接について書いてみたいと思います。

自分のようなボートオーナーやDIYで「溶接してみたい!!」と思っている方に向けて書いています。

正直、自分も溶接初心者なので専門用語もあまりわかりません。

そんな自分でも、ある程度の物が作れるようになった過程を参考にしてみて下さい。

*不十分な部分が多々あると思います。作業の際は自己責任でお願いします。

溶接は最強です

溶接と聞いて一般の人がイメージするのは工場で作業員が光をバチバチしている光景だと思います。

その他にも造船をイメージしたり建築現場でもよく見かけるので、あまり自分とは関わりがないと思っている方が大半だと思いますが

世の中溶接だらけです!

溶接にも色々な種類がありますが、小さな電化製品から大きな建物まで全て何かしらの溶接が使われています。

今回は溶接のなかでも一番始めやすいアーク溶接について書いていきたいと思います。

アーク溶接とは

まずは簡単にアーク溶接の説明をしてみたいと思います。

ざっくり言うと「電気で鉄を溶かしてくっつける」溶接の事です。

手持ちの花火をイメージしてみて下さい。

火が点いたら勢い良く火花が出てだんだん短くなって、最後は消えてしまします。イメージとしてはそんな感じです。

くっつけたい鉄同士の接点に溶接棒を点火(スパーク)させて、熱で溶かして一体化させるのがアーク溶接です。

ホルダーに溶接棒をセットした状態。これをアースクリップにつないだ母材(材料)にショートさせながら鉄を溶かすイメージです。

ちょっと言葉だけだと説明が難しいですが、youtubeで丁寧に説明している動画もたくさんあります。自分好みの動画を検索してみて下さい。

第一歩は行動する事!

溶接を始めるにあたって色々と調べてみる事は大事ですが、とりあえず行動しましょう!

知り合いに溶接関係者がいれば工場に見学や体験しに行くなり、全く接点がないなら建設機械のリース屋さんを利用して溶接機を借りてみましょう。自分もリースから始めました!

ただ、最低限の知識や準備は必要なので簡単に注意点をまとめてみます。

注意点

  • 完全防備の服装(長袖・長ズボン、素材は綿)
  • 作業靴・雨靴(ゴム)、皮手袋、粉塵マスク(溶接用)で作業して下さい。
  • 天気の良い日に屋外で作業して下さい。(明るい場所で水気がなく、換気も良い場所) *濡れていると感電の恐れあり。
  • 遮光面は見にくいですが絶対に裸眼で光を見てはいけません!!病院行きになります。*周囲に子供がいない事を確認して下さい。興味津々で覗いてきます。
  • 溶接直後の材料はかなり高温です!直ぐに触らないようにして下さい。火傷します。*引火するもの(ガソリン、紙など)があると火事になる恐れがあります。周囲を確認してから始めて下さい。

溶接道具について

簡単に注意点をあげてみましたが、感電・光を見てはいけない!と聞くと心配になると思いますが過剰になる必要はありません。

基本的には電化製品を使う感覚です!

当たり前ですが、濡れた手でコンセントを触る人はいないと思います。溶接も普段感電しないようにしている事を守れば大丈夫です!

光についても慌てず余裕をもって作業すればしっかり目を保護する事ができます。初めから上手にやろうと思わず、少しでもバチバチ出来たら上出来ぐらいの感覚で始めて下さい。

さて、次は溶接に使う道具を紹介していきたいと思います。

少し見にくいですが、実際の溶接風景はこんな感じです。

写真の溶接機はエンジン式なので場所を選ばず作業できます。リース屋さんで貸し出ししているのはこのタイプの溶接機です。

Denyo社のエンジン溶接機です。溶接棒3.2mmまで使えるのでDIYでは十分過ぎるぐらいです。発電機としても使えるので台風などの停電時には大活躍です。

パネルはこんな感じです。色々ありますがほとんど使っていません。一番右のつまみで強さを調整するぐらいなので操作は簡単です。

溶接道具一式(ケーブル、ホルダー、遮光面)借りる事ができるので断然リースがおすすめです。費用は一日¥4000~6000円程度です。

ただ、リース屋さんでは機械で吊り上げて溶接機を運ぶので軽トラが必要です。

*重いですが二人で持ち上げてバンなどに載せる事も可能です。

特に大事な遮光面(溶接面)と溶接用マスクです。

リース屋さんでは手持ちの溶接面しかないと思います。実際に覗いた事がある人はわかると思いますが、めちゃくちゃ見づらいです!!

明るい場所で覗いてみた時の遮光面の写真です。火花が出るまでかなり暗いのでスタートが難しいです。

自動溶接面で覗いた時の写真です。

同じ物を覗いていますが、これ程違いがあります。しかも両手が使えるので操作性が格段に上がります。

自動溶接面は光を感知すると自動で真っ暗になる仕組みなので、スパークする直前まで手元が見えます。正直、初心者は絶対自動溶接面を使った方がいいです。

ただ、自動溶接面はなかなか借りる事ができないと思うので本気で溶接を始めようと思っている方は購入して下さい。高い買い物ですが上達の近道です。

溶接面と合わせてマスクもできるだけ高性能のタイプを使って下さい。煙(ヒューム)は有害です。長年吸い続けると肺がやられます。

溶接面と同じぐらい大事な物なのでケチらず、良いモノを使って下さい。

その他にもチッピングハンマーやワイヤブラシなど細々とした物も必要ですが、まずは自分の身を守る物からしっかり揃えて下さい。溶接上級者になると溶接面・マスクなしで溶接する人がいます。絶対マネしてはいけません。過剰過ぎるぐらいの格好で作業して下さい。

溶接棒ですが、個人的には2.6mmが一番扱いやすいと思っています。溶接棒にも色々な種類がありますが、身近なホームセンターに売っている物で間違いないと思います。ある程度経験してから自分に合った溶接棒を決めて下さい。

はんだとは全然違います!

溶接と聞いて、時々はんだ付けをイメージしている人がいますが

全然違います!!

溶接の方が難易度は断然高いです!!

はんだ付けは初めてでもある程度の仕上がりになると思いますが、溶接は違います。スパークするのも一苦労です、、、。

初めての人が溶接するとこんな感じでデコボコになります。初めから何か物を作ろうとしないで

まずは

  • 溶接の仕組みを理解する
  • スムーズに火花(スパーク)を出す
  • 連続してスパークさせる

ぐらいの目標で始めて下さい。

最初に溶接する物は

溶接は薄い鉄板よりも厚い鉄板、ドブ付けなどの塗装された物よりもそのままの鉄の方が溶接しやすいです。

出来れば5mm以上の鉄板同士を溶接するのがいいと思いますが、直ぐに用意できないと思うので鉄筋がおすすめです。

ホームセンターでも鉄筋は売っていると思うので溶接棒と一緒に購入して、できれば何本か短くカットして準備しておいて下さい。

T字やL字などにくっつけるだけでも楽しいです。あまり短いとやりにくいので20㎝以上でカットして下さい。

いよいよ実践

これまで長々と説明してきましたが、あとは実践です!

まずは(点付け)の練習から

点付け

スタートの練習(スパークさせる) →  同じ位置で連続してスパークさせる → 二つの鉄筋をくっつける → T字やL字など色々な形を作ってみる

こんな感じで進めて下さい。

取っ手

ある程度慣れてきたら、溶接棒を傾けて進んでいく練習をして下さい。細かい説明はyoutubeの方がわかりやすいので検索していろいろな動画を見てイメージして下さい。

鉄筋に沿って連続してスパークする練習

右利きの人は左から右方向(横)に進む方がやりやすいです!

練習したら少しずつウロコ状の溶接ができるようになります。

よく作るイカリ。慣れてくると色々な物が自分で作れるようになります。めちゃくちゃ楽しいです!

これまで「溶接してみたい!」と少しでも思ったのなら溶接の世界に迷わず飛び込んでください!心からお待ちしております(笑)

よくある失敗

最後に溶接でよくある失敗について

  1. スタートしようとしたらアースクリップを繋いでいない事がよくあります。
  2. サビや塗料でしっかり通電していない事があります。ワイヤブラシやグラインダーでアースクリップや溶接棒の接触部をきれいにして下さい。
  3. スタートに失敗して溶接棒がくっ付くことがよくあります。慌てずホルダーから溶接棒を外して下さい。
  4. 再スタートする場合は溶接棒の先端をキレイにして下さい。コンクリートにコンコンするだけでいいです!
  5. 溶接直後、材料の向きを変えようとして触ってしまい火傷する事があります。かなり高温になっているので慌てず作業して下さい。
  6. 溶接中のカスが飛んで来ることがあります。首・手首・足首・溶接面の隙間等、肌が露出していないか確認してからスタートして下さい。

溶接あるある、、、。(アースクリップの付け忘れ)

今後も溶接について細かく書いていきたいと思っています。少しでもこのブログが役立てば嬉しいです。

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