【沖縄の農業】美味しいみかんを作る!「タンカン」栽培!!

みかん

今回は実家で栽培している「タンカン」について書いてみたいと思います。

全国的に有名なのがシークワーサーとタンカンだと思いますが、沖縄ではその他にも色々な種類のみかんが栽培されています。

現在、うちの畑で栽培しているみかんの種類は約20種類(試験栽培含む)ありますが、その中でも一番多く栽培しているのがタンカンです。

タンカンが収穫されるまでの流れを書いているので、農業に興味のある方や同じミカン農家の参考になれば嬉しいです。

今後、他の種類のみかんについても少しずつ載せていきたいと思っています。

その他の果物栽培についてはこちら→「沖縄県産すもも」https://bruna2.com/sumomo/

始まりは親父の趣味

冒頭でも書きましたが、現在うちの畑で栽培しているみかんは約20種類ありますが、元々はタンカンと温州みかんの2種類から始まっています。

親父の唯一の趣味はみかん栽培で休みの度に畑に行って農作業をしていました。

自分も小学生の頃から休みの度に畑に連れて行かれたので、正直うんざりしていた記憶があります。そんな過去もありましたが気付けば親父と一緒に農業をしています。

今ではタンカンにとても感謝しています。

タンカンの収穫時期について

色々な思い出があるタンカンですが、収穫時期は12月中旬~3月ぐらいまでです。

丁度、タンカンの収穫時期とヒカンザクラの開花が一緒なので畑はかなり鮮やかになります。

収穫期のタンカン

よく実っている木や調子の悪い木など、タンカンの木にも性格があります。

不調な木(葉が少ない)

写真を見比べると違いが一目瞭然ですが、味も全然違います!

不調な木のみかんは触ると全体的に実がやわらかく、甘みも少ないので味が良くありません。

タンカンを選ぶ際には

皮がしっかりしていて、色も濃ゆいオレンジ色の実を選ぶようにして下さい!

ヒカンザクラ

畑の周囲には親父がコツコツ植えた桜でいっぱいです。

桜を眺めながらの収穫作業はとても気持ちがいいです。

生果用と加工用

ほとんどの農作物に共通する事だと思いますが、栽培したものが全て出荷できるかと言われるとそうではありません。

タンカンの場合、傷物などの不良品は加工用(ジュース等)として農協が買い取ってくれるので廃棄する事はありませんが、需要がなく廃棄せざる負えない農作物も中にはあると思います。

そういった廃棄される農作物をなくす事が今後の農業の課題だと思います。

傷物

奇形

日照不足(色が悪い)

色々な要因で生果用として出荷できないタンカンも結構な量出ます。見た目は悪いですが皮をむいてしまえば中身は一緒です。

今年は加工用のタンカンが収穫箱50箱以上(約1トン)ありました。

生果用のタンカン

特にタンカンは贈り物としての需要が高い為、見た目が大事です。

生果用のタンカンを出荷する際は特に気を付けて収穫しています。

収穫後は

約2ヵ月間の収穫期間が終わると畑はかなり寂しくなります。

収穫時の畑

たくさん実っていた木も収穫すると枝だけになってしまうので、枯れてないか心配になります。

収穫後の畑

収穫が完全に終わると木に栄養補給をして来年に備えます。

農家によって使う堆肥や肥料は違うようですが、親父曰く安い肥料はダメとの事。

理由は味が良くならないようで、長年試行錯誤して今の配合になったそうです。

堆肥

根元に少しずつ撒いていきます。風が強いと舞い上がって自分にかかるので、風向きをみながら作業しています。

肥料

詳しい成分はわかりませんが、3種類の肥料を使っています。

バケツに移して一本一本に撒いていきますが、かなりの本数があるのでとても大変です。

一日作業して歩数が15000歩になっていました、、、。

もう次へ

3月で収穫が終わるタンカンですが、木をよく見てみるとつぼみが出てきている木もあります。

もう次の準備を始めています。

これから約1年かけて実を大きくしていきます。タンカンは特に実の成長に時間がかかるようです。

また、タンカンの木は豊作と不作を繰り返すので今年多く実っていた木は来年はあまり実をつけません。

枯れ枝との戦い

収穫が終わって直ぐにつぼみを持ったタンカンの木ですが、長い間実を付けていたので枯れ枝がかなりあります。

みかんにとって枯れ枝はとてもやっかいな存在です。病気の原因になるので出来るだけ枯れ枝を残さないように処理します。

肥料を撒く時もそうですが、常に剪定鋏を持ち歩いています。かなりの本数があるので気付いたら、その都度処理するようにしています。

枯れ枝処理は通年行う作業です。

そして、これからは新芽が出てきたり、花が咲いて実を付け始めるので消毒作業が始まっていきます。

新芽は幼虫の大好物なので他の作物でも同じように消毒が必要になると思います。頻度としては月1~2回程度行っています。

畑は緑だらけ

これから夏に向けて気温が高くなると、雑草が勢いよく成長します。特に肥料を撒いた根本周辺の雑草は高くなります。

涼しい時間帯に草刈り機で刈っていきます。初めの頃は要領が悪く筋肉痛もありましたが、今では要領良く無駄な力を使わず作業できるようになりました。

特に伸びた草を刈る時は気持ちがいいです。初めの頃は嫌な作業と思っていましたが、今ではストレス発散になる楽しい作業の一つです。

特に大変な作業

みかん栽培で特に重労働なのが防風林の剪定です。

沖縄の農業は台風に左右されます。みかんを守る為に植えている防風林ですが、高くなりすぎると日当たりが悪くなります。ある程度の高さに揃えて切らなければなりません。

チェンソーと専用の草刈り機で作業しますが一番大変な作業です。

防風林の周囲を切る機械ですが普通の草刈り機と違い、縦に機械を振るのでめちゃくちゃきついです。初めて作業した時には15分で腕がパンパンになりました。

今では1時間程作業できるようになりましたが、それでも大変な作業です。

切った枝をさらに小分けにしてチップにします。

チップにしたらみかんの根元に敷いています。栄養になるのと雑草が生えにくくなるそうです。

少しずつ

色々な作業を進めている間に実も少しずつ大きくなります。

台風などを乗り越えて順調に育っていく実にも傷が付いたり、明らかに小さい実などが出てきます。そういった実をどんどん摘果していきます。摘果時にも枯れ枝に注意しながら作業しています。

敵は空と地面から

新年を迎える頃には少しずつ実が色付き始めて少しずつ甘みを増していきます。その頃には収穫の楽しみも出てきますが、動物も食べるのを楽しみにしています。特にみかんの敵になるのがカラスとイノシシです。

鳥に対しては防鳥ネットを張って対策していますが、カラスは本当に賢いです。どんな小さな隙間でも見逃さず入って食べて行きます。

人と動物の知恵比べ状態です。

それでも防鳥ネットはかなり効果があります。

イノシシの場合は足跡から侵入場所が特定できるので直ぐに対処できます。畑周囲はイノシシ用のワイヤーメッシュで囲まれています。

奇跡なのかもしれません

長くなりましたが、このような過程を経てタンカンは収穫されています。

花が咲いて実が収穫できるまでの間、同じ場所で一年間を過ごしています。特に台風が多い年は被害が出るにも関わらず、傷一つなく綺麗に残っている実もあります。少しおおげさかもしれませんが生果用として収穫できる実は「奇跡の実」なのかもしれません。

そんな奇跡のお手伝いを今後も親父と一緒に一生懸命頑張っていきたいと思います。

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