沖縄北部(羽地内海)に溜まり始めた軽石、、、。漁港への侵入を防ぐ対策!

先月から問題になっている軽石ですが、沖縄本島の各地で観光や漁業への被害がじわじわと出てきています。行政の支援も少しずつ加わって処分や対策のスピード感は出てきましたが、まだまだ終わりの見えない戦いが続いており、漠然とした不安が残っています。

現在の状況と仲尾次漁港の対策を載せてみたいと思います。

軽石の関連記事はこちら→https://bruna2.com/pumice/

風向き次第

今回漂流している軽石は風向きによって驚くほど速く移動します。

沖に漂流している軽石は西海岸の場合、北~西寄りの風が吹くと沿岸に溜まります。逆に南~東寄りの風が吹くと沖に逃げていきます。

【辺士名の海岸】

【羽地内海】*仲尾次漁港から撮影

朝方は東寄りの風が吹いて漁港から出て行った軽石が、風向きの変化(北風)で漁港内に入ってきます。

段々近づいてきて、、、。

あっという間に港内に侵入します。

港内
スロープ
漁港周辺
河口部

羽地内海は周囲を囲まれているので軽石はあまり入ってこないだろうと思っていましたが、、、。

徐々に増えて今では大変な事に。

莫大な量

初めの頃は組合員が手作業で何とか回収できる量でしたが、今では重機を使わないと回収できないレベルになっています。見た目は表層を覆っている程度に見えますが、予想以上に分厚い層です。

内海に漂っている軽石の量を想像すると恐ろしいほど莫大な量です。

出来ることは侵入防止ぐらい、、、。

現状で組合員が出来る事は、漁港内への軽石の侵入を防ぐ事ぐらいです。*県からの具体的な指示がない為、回収しようにも動けない、、、。

軽石が港内に入ってしまうと船のエンジンが掛けられない為、色々と支障をきたします。出来るだけ港内に入る軽石を防ぐ為に入口にクラゲ防止ネットを設置しました。

*本来は専用の汚濁防止ネットを設置しますが、諸事情によりクラゲ防止ネットを設置する事になりました。

初めての経験なので、クラゲ防止ネットで軽石を抑えることが出来るか誰もわかりません、、、。

フロートの間が空いているので、軽石がすり抜けていきそうですが、、、。

効果を確かめる為にとりあえず設置します。

手漕ぎで、、、

漁港の入り口は約60mあります。設置する為のロープを張りますが、エンジンを掛けられないので手漕ぎで作業します。

ハーリー用のオールを使って漕ぎますが思うように進まない、、、。

4名で漕いで何とか対岸に行き、ネットを引っ張る為のロープを設置しました。

設置したロープにクラゲ防止ネットを結んでゆっくり引っ張っていきます。

60m分のネットなので結構な重さですが、二人で引っ張れる程度です。

この状態でどの程度軽石が抑えられるか検証します。

正直、無理だろうと思っていました、、、。

*設置した時点で港内には大量の軽石が溜まっている状態です。当日は北風

予想以上に、、、

翌日から風向きが南に変わり、軽石が港の外に向かって移動しました。

陸側(スロープ)に溜まっていた軽石が港外に向かって大移動。

設置したクラゲ防止ネットの効果はというと、、、。

予想以上に効果あり!!

フロートの間からすり抜ける軽石も少しありますが、十分な効果です。

*後日、一旦ネットを開けて港外に軽石を出した後に閉じています。

最終的に内海に溜まる??

先月末に比べて北部西海岸(外海)の軽石の漂流は落ち着いたように見えます。しかし、それは風向きの仕業で実際の状況は陸上からはわかりません。ただ、内海の軽石量は明らかに増えているように感じます。

袋状の地形の為、一旦内海に入った軽石が外に出られない状況になっている可能性があります。

*外海と繋がる水路は3ヵ所(ワルミ大橋、屋我地大橋、奥武橋)

北風になるこの時期、北部西海岸に漂流している軽石の大半が最終的に羽地内海に溜まるのではないかと予測しています。*あくまでも個人の勝手な予測です。

今後の軽石の状況を注意深く観察していきたいと思います。

根本の解決は

今回設置した軽石対策のネット(クラゲ防止ネット)はあくまでも軽石の侵入を防ぐもので、根本の解決にはなっていません。

砕けてある程度小さくなると沈殿するとの事ですが、全てが沈むわけではないので何かしらの対策が必要です。

今後の専門家の分析による、具体的な解決策が発表される事を切に願っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました