農家が教える草刈り機の選び方・使い方

今回は年中使用する草刈り機について書いてみたいと思います。農家用から一般家庭用まで色々ある草刈り機ですが、実際に使用してみるとかなりの違いがあります。購入時の参考になれば嬉しいです。

使用するにあたって

まず初めに草刈り機(刈払機)の使用にあたり免許や資格の有無ですが、私有地で使用する場合は基本的に要りません。

しかし、業務として作業に従事する場合には刈払機取扱い作業者安全衛生教育の講習を受けなければなりません。

近年、草刈り機の事故が増加しているので受講する事をおすすめします。

草刈り機(刈払機)の種類

最近では充電式の草刈り機なども発売されており、女性や年配の方でも気軽に使えるように進化しています。

色々な種類の草刈り機がありますが、一般の人が草刈り機と聞いてイメージするのはやはり

エンジン式草刈り機だと思います。

エンジン式草刈り機

エンジン式草刈り機も最近は4ストロークが主流になってきて、低燃費でハイパワーな物も出てきています。

うちには5台草刈り機がありますが全てエンジン式です。農家の場合はエンジン式一択です!

簡単にまとめると、、、

充電・コード式草刈り機=  自宅庭の手入れ用(芝生や柔らかい雑草が主)

エンジン式草刈り機= 広範囲の自宅庭や農家用(硬い草木も混じっている)

刃の違い

草刈り機には動力の違い(電気・ガソリン)の他にも使用する刃の違いもあります。

金属製の刃

メリットは耐久性があり硬い草等も切る事ができます。また、研磨する事で切れ味が復活します。デメリットはキックバックや刃が欠けたり危険度が高い事と他の刃に比べ重いので長時間の作業になると疲れる事です。

ナイロンコードカッター

一番のメリットは安全性。刃が欠ける事がないので際なども安心して作業する事ができます。デメリットは金属刃より回転力(馬力)が必要な事と小石などの飛散量が多くなります。またメーカーによって使えない機種もあります。

樹脂製の刃

金属刃とナイロンコードの中間。音も静かで太い草も刈る事が出来ます。

その他にも特殊な刃が発売されています。作業環境に合った刃を選ぶようにしましょう!初めて草刈り機を使う方は金属製の刃が無難だと思います。

特に使用頻度が多い方は類似品があった時は迷わず高価な方を購入しましょう。耐久性が全然違います!(金属製の刃)

作業時の服装

草刈り機を使用する際の格好ですが普段の農作業の格好(長袖長ズボン)でいいと思いますが、小石など飛んでくるので出来れば厚手の生地が好ましいです。特に重要なのが保護メガネです。必ず保護メガネをかけて作業して下さい。意外と目に飛んできます。

腰から下は特に土が飛び散るので雨靴での作業をおすすめします。

操作方法

今回はエンジン式草刈り機の操作方法を説明したいと思います。

始動する前に各部位の点検(ネジ、ワイヤー等)やベルトの調整をして下さい。

まずは始動の仕方ですが、機種によって多少の違いはありますが基本は一緒です。

一連の流れは、、、

給油→プライマリーポンプを押す→スイッチON→スターターロープを引く→スロットルレバーを引く

ですが、長期間使っていなかった場合などエンジンがかかりにくい時は、、、

チョークを開けてからスターターロープを引き、エンジンがかかったらチョークを閉じる事で始動できます。それでもかかりにくい場合はスロットルレバーを少し引いた状態でスターターロープを引いて下さい。

それでもかからない場合はスパークプラグを外してペーパーで綺麗にするとかかります。以上を試してもエンジンがかからない場合は修理が必要な可能性が高いです。

プライマリーポンプ(赤丸)チョーク(黄丸)

start・stopスイッチ

最近の機種はハンドルにスイッチが付いています。意外とスイッチの切り替えを忘れる事があるので始動する時には確認を!!

スロットルレバー(マキタ)

スロットルレバーの形状はメーカーによって違いますが操作自体は簡単です。

刈り方

エンジンをかけたらいよいよ実践です。周囲に人が居ない事や障害物の有無など安全点検をします。

刈る時に一番注意しなければならないのが刃の左上部(10時から11時方向)で切る事です!そして出来るだけ後進しないようにする事が大事です。*転倒防止

分かりやすく解説している動画もあるので視聴してイメージするのもいいと思います。

みかん畑の雑草

実際に草刈り作業をする現場です。特に刈り始める場所の決まりはありませんが、右から左に体を振って刈っていく(右側に振った時には刈らない)ので刈った草が重ならないようにするため、左側から右側に進んで行くのが基本です。

実際に経験しないとイメージできないと思うので何となくでいいので覚えておいて下さい。

刈る順番のイメージ図

上記の図は基本通りに刈った時の順番です。実際には傾斜や障害物があるのでイメージ通りにいかない事がほとんどです。

刈り上げ後

実際は木を中心にして円をかきながら刈っています。理由は根元に草を集めたい為(敷草)。

現場ごとに進行方向が違ってくるので、一番効率良く作業ができる順番を考えてみて下さい。考えるのも意外と楽しいです!基本を守りながら独自のルートを見付けて下さい!

上手な人は刈った草をきれいに並べて刈り残しがないように効率良く作業しています。上手な人の刈り方を見るのもとても勉強になります。

機種による違い

エンジン草刈り機(刈払機)ですが各メーカーから色々な機種が発売されていますが、一番重視して欲しいのが排気量=(馬力)です!!*上位機種になるので高価です。

これは本当に違いがあるので、農家や使用頻度が高い方は迷わず排気量の多い機種にして下さい!ストレスが全然違います。

実際、何が違うかというと、、、

ススキなど硬い草や密集した場所を刈る時に雲泥の差が出ます。馬力がないと刃に草が絡まってしまい何度も止まります。馬力があると密集した草も止まる事無く刈り続ける事ができます。作業時間もかなりの差が出ます!本当にストレスになるので安い買い物は絶対しないで下さい!!後々、絶対後悔します!

あと、2ストロークと4ストロークの違いですが一般的に4ストロークの方が低燃費と言われていますが、一概にそうとは言えません。

長老の2ストローク草刈り機

若手の4ストローク草刈り機

うちで使っている二つの草刈り機ですが排気量の違いはありますが、圧倒的に2ストロークの草刈り機の方が燃費がいいです!(約1.5倍)*同じ時間・作業量で比べています。

使っている燃料(ガソリン・ミックス)や刃の違いもあるので余談として捉えて下さい。

あと、使用者の性別・年齢・身長などの要素で変わってくると思いますが、意外と機械本体が重い方が安定感があって疲れにくい場合があります。あまり軽いと振動が大きくなったり、腕力頼りの動作になる為??ちょっとこれは説明できませんが、そういった事もあるので実際に機種を担いで模擬動作をしてみるのもいいと思います。

実践あるのみ!

色々説明してみましたが、やはり実践あるのみです。基本動作を守り慌てずゆっくり作業すれば意外と大丈夫です。

十分過ぎるぐらいの安全確認をして草刈り作業にチャレンジしてみて下さい!!

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