プレジャーボートオーナーや漁師にとって大事なボートのエンジンですが、意外とメンテナンスを怠っている方が多いと実感しています。
特に週末フィッシャーマンはタイミングが合わず何カ月もエンジンを放置してしまい、いざ出航しようと思った時にトラブル発生、、、。
過去に自分も何回か経験しています。
そんな事が起きないように自分でできるメンテナンスはしっかり行い、トラブルを未然に防ぐ努力をしましょう。
今回は YAMAHA F90BET 船外機のエンジンオイル&ギアオイルの交換について説明してみたいと思います。
作業自体は簡単ですが、意外と要領がいる工程もあるので対処法など参考にしてみて下さい。
(オイル交換と併せて行って欲しいメンテナンス)
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オイルの役目
まずはオイルの役目ですが、他のブログや雑誌にも散々書かれているので省略しますが、、、。
ようは 「人間でいう血液」 と思って下さい。
汚れたら大変なので定期的に交換しなければなりません。人間の血は簡単に交換できませんが、、、。
- メーカー推奨の交換時期
- エンジンオイル・ギアオイル 100時間
*オイルフィルター 200時間
実際には
メーカー推奨の100時間ですが、漁師の場合超える事がほとんどです。
その為、馬力の低下や燃費が悪くなるのが体感できます。オイルはとても大切です!
漁師の場合は使用頻度が多いのでエンジンの状態など把握しやすいですが、プレジャー使用の場合できるだけ100時間以前に交換する事をおすすめします。その方が他の箇所のトラブルも早期に発見できると思います。
必要な物は
オイル交換に必要な物や工具ですが、今回は陸上でのオイル交換を想定しています。
YAMAHA純正オイルは自動車用と比べ高価ですが、安易な考えで安いオイルを使用しないで下さい。時々、自動車用を使っている人がいます。
車の環境とは比べ物にならないほど海の環境は過酷です!
自分のボートの場合、90馬力(排気量 約1600cc)常時4000回転で運転しています。
車で例えると、カローラクラスの車で4000回転です。高速道路でスピードを出しても4000回転いかないと思います。
それほど過酷な状況で使用しているエンジンなので純正品のエンジンオイル・ギアオイルを使用して下さい。
まとめて買うと送料無料になるネットショップもあるので店舗より安く購入できます。特に急ぎでない場合はネットショップがおすすめ!
その他に必要なのがオイルを処分するポイパック!4.5ℓ~6.5ℓ用で十分です。
必要な工具
- 大きいマイナスドライバー
- ラチェットハンドル
- オイルフィルターレンチ(65Φ)
- モンキーレンチ
- 14mmソケット
- 脚立
その他に耐油性ゴム手袋やウエスなど細々としたものが必要です。
作業手順
- エンジンオイルを抜く
- ギアオイルを抜く
- 新しいエンジンオイルを入れる
- 新しいギアオイルを入れる
①エンジンオイルを抜く
まず最初にエンジンオイルを抜く作業ですが、可能であれば少しエンジンをかけてオイルを温めた方が良いです。そのまま抜いても特に問題ありません。
エンジンオイルの出口が少し高い位置にあるので、写真のようにホースを自作して地面まで届くようにした方が楽に作業できます。工具が入る位置に微調整して下さい。
ホースは出来るだけペットボトルの飲み口よりも大きいサイズを使用して下さい!!
ホースが細いとオイルの抜けが悪くてペットボトルから溢れる恐れがあります、、、。
あと大事なのはドレンボルトは少しずつ緩めて、一気にオイルを抜かないようにして下さい!ある程度勢いが収まってからドレンボルトを完全に抜く方が溢れずに処理できます。その為、手袋を付けてドレンボルトを押してゆっくり出るように調整します。
オイルを抜く前に注ぎ口の黄色いキャップを緩めた方がオイルの抜けがいいですが、自分の場合はある程度抜けた後からキャップを外しています。
オイルがある程度抜けたら次はフィルターの交換です!
残っているオイルが垂れてくるのでウエスで拭き取りながら作業します。
フィルターは200時間で交換なのでオイル交換2回に1回のタイミングで行って下さい。
カップ型のフィルターレンチは着脱の時にフィルターが外れにくいですが、ハンマーなどで軽くコンコンと叩くと簡単に外れます。
新しいフィルターと交換した後はドレンボルトを絞めて新しいエンジンオイルを入れる準備をします!
*ドレンボルトのパッキンは毎回交換して下さい。
直ぐに新しいエンジンオイルを入れてもいいですが、ギアオイルは抜けるのが遅いので自分の場合はギアオイルを抜いている間に新しいエンジンオイルを入れるようにしています。
②ギアオイルを抜く
ギアオイルのドレンボルトは二ヵ所ありますが、下の方はエンジンを傾けないと作業しずらい為、チルトアップして下さい。
この作業で注意して欲しいのは、出来るだけ大きいマイナスドライバーを使う事です!
普通のドライバーだと溝を変形させてしまいます。自分もこれで失敗しました、、、。
あと、期間が経っていると固着してボルトが緩みづらい時があります。その時はドライバーを垂直に当てて少し強めに叩いて下さい。
それでも緩まない場合はドライバーにモンキーレンチを噛まして回すようにして下さい。この時もしっかり垂直に溝に当てていないと変形するので慎重に作業して下さい。
自分の場合は下のドレンボルトから先に外しています。その方がオイルが垂れずポイパックをセットしやすいです。
上から外してしまうと下のドレンボルトを外した瞬間オイルが出てきます。
両方のボルトを外したら船外機を水平にしてオイルが抜けるのを待ちます。
ギアオイルのチェックポイントとしてオイルの色と鉄くずです。
出てきたオイルがカフェオレのような色(白っぽい色)になっていた場合は海水が混じって乳化している状態です。直ぐに業者に見てもらって下さい。写真のような色が正常です。
あと下のドレンボルトには磁石が付いているので鉄くずが付着していないか確認してください。ボルト全体に鉄くずが付いている場合はギアの摩耗が考えられます。ジギングなどで頻繁にバックギアを使う場合は消耗が激しいのでペラを回した時に異音やゴリゴリ感がある場合も業者に見てもらうようにして下さい。
③新しいエンジンオイルを入れる
ギアオイルを抜いている間に新しいエンジンオイルを注入します。
注入口が斜めになっているので缶から直接入れる場合は漏斗が必要です。ペットボトルを切って漏斗代わりにする事も可能ですが、専用の容器に移して注入するのが一番です。90馬力の場合、フィルター交換すると4ℓでは足りない為、1ℓ缶も必要です。
エンジンオイルは20ℓ・4ℓ・1ℓ缶で販売されていますが、単価が安いのは20ℓ缶です。自分も20ℓ缶を購入しましたが、全部使い切るのに結構な期間になり最後の方はオイルが変色していました。性能の違いは感じませんでしたが、今はその都度使い切る量を購入するようにしています。
規定量を注入した後はフィルターとドレンボルトから漏れがないか確認し、オイルゲージで実際のオイル量を確認します。
オイル交換(フィルター交換)後に最初にエンジンをかけた場合、オイル量が変動するので係留した時にもチェックするようにして下さい。
漁師の師匠から教えてもらった雑学を紹介したいと思います。
4ℓのオイル缶からオイルを注ぐ場合、ほとんどの人が注ぎ口を下にすると思います。
自分もずっと下にしてオイルを出していましが、師匠いわく注ぎ口は上との事。
最初は半信半疑でしたが、実際にやってみると入れやすい!!
注ぎ口が下の場合、傾けるとトクトクと音をたててオイルが出ますが、上にするとスムーズに出ます!!マジでびっくりしました。
興味がある方は次回オイル交換する時に試してみて下さい!
④新しいギアオイルを注入する
エンジンオイルを入れ終わる頃にはギアオイルが抜け切っていると思うので、きれいに拭き取りして新しいギアオイルを注入します。
両方のドレンボルトに新しいガスケットをセットして取り付けして下さい。
ギアオイルのノズルの先端を少し切ると注入しやすくなるのでカッターなどで切ってから注入します。
下の穴からギアオイルを押し込み、上の穴からオイルが出てくるまで注入します。
オイルが出てきたら上のドレンボルトを絞めて、下のドレンボルトを絞め込みます。
最後に拭き取りをして作業終了です。周囲に垂れたオイルも中性洗剤でキレイにしましょう。
出来る限り自分で
初めは時間がかかるかもしれませんが、慣れてくると1時間程度でオイル交換をする事ができるようになります。
業者に任せるのもいいですが、自分でメンテナンスする事で得られるメリットもかなりあります。
自分で出来る事は積極的に行い、トラブルのないマリン生活を楽しみましょう。
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