今回は4トントラック(4t車)と呼ばれる中型トラックについて書いてみたいと思います。初めて運転する方やドライバーへの転職などを考えている方の参考になれば嬉しいです。
4t車とは
まず初めに4t車について説明してみたいと思いますが、少しややこしいので大雑把に言うと「積載量が4t」のトラックを『4tトラック』や『4t車』と呼んでいます。※見た目がほぼ同じトラックに見えても免許区分が違う場合があるので所有者や車検証でしっかり確認が必要です(笑)
4tトラックは車両総重量8t未満・最大積載量5t未満の中型トラックを指します。正確には4tぐらい積めるトラックの総称です(笑)※装備によって4t積めない場合もあり
イメージしやすいのは清掃車や引っ越し業者、運送業者などで使われているトラックです。なかには「こんなデカいのも(長い)!?」と思うほどのトラックもあります。※オバケと呼ばれているようです。
必要な免許
これもややこしいのですが、、、4t車を運転するには普通免許を取得した年によって違いがあるので注意が必要です。
簡単に言うと、、、
平成19年6月1日までに普通免許を取得していれば4t車を運転できます◎!【車両総重量8t未満・最大積載量5t未満】
平成19年6月2日~平成29年3月11日の間に普通免許を取得した方は4t車を運転できない×!!【車両総重量5t未満・最大積載量3t未満】※中型免許以上が必要
平成29年3月12日~現在までに普通免許を取得した方は4t車さらに2t車も運転できない×!!
詳細は割愛しますが、簡単にまとめると上記のようになります。
免許区分が年々厳しくなっていますが、それだけ事故が多かったからだと思います。実際に4t車を運転した事がある人は分かると思いますが「こんなデカいの運転していいの??」と感じたはずです(笑)
運転する際の注意点
それでは4t車を運転する際の注意点をいくつか挙げていきたいと思います。
・車幅に注意する
・後方確認(奥行き)
・内輪差
・ブレーキ操作
・クラッチ操作
一番の注意点はデカい事です(笑)車幅が車道ギリギリになるので狭い道での大型車とのすれ違いはとても緊張します。ダンプの場合は全長が短いですがバンタイプのトラックはかなりの長さがあるので後方確認やカーブ時の内輪差にも注意が必要です。※特に左折時の巻き込み事故に注意
また、中型トラックからはブレーキシステムが油圧式から圧縮空気式(エアーブレーキ)になるので普通車の感覚でブレーキペダルを踏むと急ブレーキのようになります(笑)意外と繊細な操作が必要です。
これはマニュアル車限定の話になりますが、シフトチェンジの際には半クラッチを最小限にしなければなりません。特に荷物を積んだ状態での半クラッチの多用はクラッチ板にかなりのダメージを与えます。出来る限りスムーズなシフトチェンジを心掛けましょう!
実際の様子(マニュアル車) 出発~走行
実際に運転する際の手順を説明してみたいと思います。基本的には教習所で習った事を丁寧に確認するだけです(笑)
運転席に乗り込んでまずやる事はシートの調整です。上記でも書きましたがブレーキ&クラッチ操作がかなり重要です!楽に座った姿勢でブレーキ・アクセル・クラッチが踏み込める位置にシートを調整して下さい。ここで特に重要なのが『かかと(右足)を常に床に着けた状態でブレーキ操作をする』事です!!ブレーキを踏む際のイメージとしては『風船を動かさないように親指(親指側)で踏む』感覚です。この状態が楽にキープできる姿勢がベストです。
シートの調整が出来たら次にサイドミラー(バックミラー)を調整します。
楽に座った状態で後方がしっかり見える位置に調整します。
助手席側は手が届かないので一人の時は大変です(笑)
円形のミラー(前下方)もしっかり見える位置に調整します。
車種によってシフトパターンが違うのでしっかり確認します。シフトレバーにはこのように表記されています。※日野自動車レンジャーの場合
1速~6速までありますが、正直1速はほとんど使いません。なので2速スタートになります。初心者の場合、焦って力んでしまい無理矢理シフトチェンジしようとしてなかなかギアーが入らない事が多々あります。慌てずリラックスして軽くシフトチェンジするようにして下さい。特に減速する場合には自分が思っているタイミングよりワンテンポ遅らせるとスムーズにシフトチェンジする事が出来ます。※半クラッチは最小限に!
走行中は車間距離を十分に取って前後・左右の確認をしっかり行うようにします。上記でも書きましたが、慣れないうちはブレーキ操作に苦労すると思うので早め早めにブレーキ操作します。エアーブレーキではポンピング操作(小刻みにブレーキすること)は好ましくないので、ジワジワ踏み込むようにして下さい。※ポンピング操作を行うと圧縮空気の減りが早くなる為
バック(後進)のコツ
中型トラックの大きさになると後方の感覚がとても分かりずらくなります。その為、サイドミラーを一生懸命見ようとして更に感覚が狂ってしまいます。
バックのコツとしては、、、
片方のサイドミラーを注視(100%)するのではなく、両方のサイドミラーを大まか(60%程度)に見るイメージです。ミラーだけの確認ではなく、実際に振り返って確認する事も大切です。
また、バック時は少しのハンドル操作で向きが変わってしまうので、控えめにハンドル操作するようにします。
内輪差の対応
ロングタイプの中型トラックでは特に内輪差に注意が必要です。T字路など直角に曲がらないといけない状況の時には、ワンテンポ以上ハンドルを切るのを遅らせるようにします。左折の場合は反対車線ギリギリまでフロントタイヤが進んでからハンドルを切ります。曲がる前にバイクや歩行者が居ないか十分に確認するようにして下さい。
ミラーと目視で確認!!
死角を減らす工夫!
トラックの場合、前方と左右の視界は良いですが斜め後ろや後方はかなり見ずらい構造になっています。その為、脇道から本線への合流する場合にかなり見ずらい状況になる事があります。
例)
右カーブ気味の脇道から本線へ右折する場合など、ひらがなの『て』のような道
上記の状況をイメージしてみて下さい。左側から走ってくる車が助手席後方で見えない状況になります。そういう時には右折する前に少し左折して本線に対して車体を直角にします。そうする事で助手席で死角になっていた部分が見えやすくなります。そういった少しのテクニックで危険回避する事ができます。※道幅の問題もあるので使えない場合あり。
荷物を積んだ時の運転!
ある程度運転に慣れてから現場(仕事)に入ると思いますが、実際に荷物を積んだ時に注意しなければならないのが『ブレーキが直ぐに利かない』事です。
荷台にMAX荷物を積んだ時には車が後ろから押されているような感覚になります。
その為、初めでも書いたように車間距離を十分にとって早め早めにブレーキ操作するようにします。特に下り坂を走行する際にはブレーキの多用で利きが悪くなる可能性があるので、『排気ブレーキ』と『エンジンブレーキ』を組み合わせます。
詳細は割愛しますが、補助ブレーキのような機能です。
慣れたら普通車よりも運転しやすい???
これまで色々説明してきましたが、全く心配する必要はありません!まずはゆっくり安全運転で経験を重ねて下さい!少しずつ慣れてくると思います。4t車になると視界が高くなるので慣れると普通車よりも運転しやすいと思ってきます(笑)
このブログが4t車を運転するキッカケになれば嬉しいです!!
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